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第64回目は戦禍のウクライナで金融改革、汚職と闘う元日銀マン・田中克(まさる)氏にご登場いただきました。

田中氏は2016年、不良債権に悩むウクライナ政府の要請で同国の財務大臣アドバイザーに就任した。金融部門の不良債権比率は約75%で、国有銀行3行に限ってみれば80~90%にのぼる。旧ソ連時代の「借りたカネは返さなくていい」という体質が残っていた。ロシアとの戦争が始まる前には「28%まで減ったが、戦争で元に戻ってしまった」と嘆く。

「意図的に不良債権にして財務省から公的資金の注入を受け、それを仲間内で分けることが横行していた」という。

途中から汚職対策も担当した。国有銀行の資産査定に入ると大きな抵抗を受ける。ソ連時代のKGB(ソ連国家保安委員会 )の後継機関であるウクライナ保安庁に「経済復興のために必要なことだ。国家機密事項には直結しない」と説得すると、一転して協力してくれた。

今年2月19日、東京で日本ウクライナ経済復興支援会議が開催された。多くの両国政府・企業関係者が参加した。戦争が終わっていないのに、なぜ復興か、とよく聞かれる。田中氏は「ロシアに占拠された2割を除く8割の地域では通常の経済活動が営まれている。昨年の経済成長率は実質5.7%。それを支えるのが経済復興に当たる部分。経済活動を維持できなければ、ロシアに経済で負ける」と経済復興支援会議の重要性を指摘しました。

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第63回目は「自民党の裏金事件は終わっていない」と指摘する神戸

学院大学教授の上脇博之さんにご登場いただきました。

昨年12月1日、朝日新聞に載った「安倍派、裏金1億円超か、東京地検が事情聴取」以来、永田町に大激震が走った。この事件の発端が上脇教授の告発だった。

上脇教授は「世間では捜査が終結というが、告発した容疑全体の結論はまだ明らかになっていない。今回の捜査で初めて裏金、キックバックの問題が表に出た」といい、「東京地検特捜部には不記載の捜査で分かった裏金について新たに告発状を送った」という。

また、不記載の処分では、検察庁が不起訴にした内容(「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」)が分かれば検察審査会への不服申立を行うという。

今回起きた「政治とカネ」の問題は、1994年に導入した小選挙区比例代表並立制という選挙制度の問題だと上脇教授は指摘する。「小選挙区を止めて比例代表制を」が持論だが、「投票率の低下の原因も含めて現行の選挙制度をどうするか。そこから議論を始めるべきだ」と話した。

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第62回目は同志社大学名誉教授、浜矩子さんにご登場いただきました。

2023年暮れに自民党派閥の政治資金パーティー券収入の裏金化疑惑が表面化。 岸田首相は渦中の安倍派の4閣僚らを更迭して体制立て直しを図りましたが、世論不支持率は異常に高まりました。

浜さんは「国民はばかじゃない。潔く総辞職するなり決着つけるべきと(数字は)求めている」と分析。「いまは政権交代のチャンス。野党を頼りにされるように鍛えないと」と野党にも注文します。

浜さんはアベノミクスを丸のみした岸田首相を「アホダノミクス男」と命名する。安倍派の力が今回の疑惑でそがれても現在の路線が大きく変わることはないだろうと悲観的です。

黒田東彦氏の後を受けた植田和男日銀総裁に「異次元金融緩和政策を果敢に振り捨て、金利のあるまともな世界に戻るべき」と注文します。望ましい金利水準は「せめて2~3%ほしい」「上げるならドラスティックに、一気に」と言います。

地盤沈下が深刻な日本はいま何をなすべきか。浜さんは「金融政策だけでなく財政政策、租税制度の正常化が不可欠」と主張します。中央銀行によって隠ぺいされてきた財政の状況を明るみにし、正常化する過程で「機関投資家に債権放棄をお願いすることもある」と見通します。

2024年はどのような年になるのか。現在の行き詰った状況を正常化する過程で「破綻を介して浄化作用の方向に向かうか、ぐちゃぐちゃのままカオスに陥って動きがとれなくなるのか。浄化かカオス化、二つに一つの局面を迎えている」と厳しい。浄化に向かうとしても「相当ドラスティックなことをしないと。恐慌を経ないとダメかも」がご託宣です。

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第61回目は循環型経済の実現をめざすアミタホールディングス会長の 熊野英介さん(下)です。

 熊野さんは環境事業に取り組む原点として著書『思考するカンパニー』でユージン・スミスの写真集『水俣』を上げます。 叔父が始めたインゴットを扱う問屋に入り、工場から出る廃棄物処理の事業を手がけました。環境ビジネスへの参入だった。

こうした体験を踏まえ、現状は市場経済の中で環境より効率最優先の社会になっていると憂うる。その上で「人口減少によって市場が縮小し続けている中で、持続可能な社会をめざせ、という難題が突きつけられている」と主張します。また、東京一極集中について「果たして都会で暮らす人が幸せか」と疑問を投げかけます。

「日本には400年以上続いている会社がある。華道や茶道などもそうだ。価値を作り続ける仕組みが日本にはある」といい、日本型循環モデルを踏まえ、「いまこそみんなが主役でみんなが脇役のエコシステムモデルを創出すべきだ」と力説しました。

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第60回目は循環型経済の実現をめざすアミタホールディングス会長の 熊野英介さん(上)にご登場いただきました。

いま人口減少社会が到来し、経済の沈滞と少子高齢化がダブルパンチのように襲いかかっています。合わせてSDGs(貧困や飢餓の撲滅、環境の保全など持続可能な開発目標)が課題となっています。

アミタホールディングスは「命をコストにしない未来をデザインする」という目標を掲げて、東日本大震災で多くの犠牲者を出した南三陸町で住民と復興に取り組むなど循環型経済の実現に挑んできました。

熊野英介会長は「南三陸町では人と人とのつながりが生まれ、コミュニティーで資源がめぐる形が出来た」と話し、持続可能な社会の実現に向けて第一歩が始まったと自信を深めている。インタビュー(上)では、岡山県西粟倉村や京丹後市、南三陸町での取り組みを伺いました。

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第59 回目は大阪産業大学デザイン工学部教授の田中みさ子さんにご登場いただきました。田中さんは 大阪の大動脈である御堂筋を改造するなら、「人中心、おしゃれが映える空間に」と主張します。

大阪市は2019年、「御堂筋 将来ビジョン~世界最新モデルとなる人中心のストリートへ」を発表。御堂筋完成100周年の2037年を目標に、御堂筋を人中心の道路空間に改造する方向に動いています。すでに一部で6車線のうち側道2車線の歩道化を実施ずみで、工事は継続中だ。

将来ビジョンのミソは車を完全に締め出す「フルモーㇽ化」。田中さんは「人中心の道路空間にすることは賛成」だが、6車線全部から車を締め出すことには疑問を呈します。「御堂筋は庶民の街・大阪では貴重な空間。御堂筋が庶民的なるのはおしい。おしゃれが映える空間を極めるべき」「都市には着飾って車で一流ホテルなどに乗り付けられるなどのハレの空間が必要。非日常のない都市はつまらない」といいます。

御堂筋の大改造は大阪市中心部の交通体系に重大な影響を及ぼす。それだけ利害関係者との調整に膨大な時間を要します。田中さんは「調整の前に関係者が見る方向性を一致させる必要がある。それができれば調整作業は早く進む」。しかし、いまは「一般的な環境意識は高まっているが、環境のために街を変える、という意識はない」と分析する。

東京では現在、明治神宮外苑再開発をめぐって開発事業者と近隣住民らの環境保全派が対立しています。田中さんは「説明が不十分なところがあったのでは」と見ます。

そのうえで御堂筋大改造を進めるうえでの教訓として、田中さんは「御堂筋はこんな風になるとしっかり説明することに尽きる」と大阪市に注文を付けます。

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第58 回目は京都府立大学教授の岡本隆司さんにご登場いただきました。

 ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに米中対立が深刻化し、「台湾有事」が声高に叫ばれる事態になっている。直近では福島第一原発の処理水の海洋投棄をめぐって中国国内の「反日」感情が高まり、日本国内でも「嫌中」感情が広がる。とはいえ、中国は日本にとって有史以来、密接な隣国で、いまも最大の貿易相手国だ。コロナが収束してインバウンドにも期待がかかる。

『中国「反日」の源流』という著書もある京都府立大学教授の岡本隆司教授は「中国の『反日』は歴史的みれば、倭寇までさかのぼる」という。ただ、「厳密にいうと第一次世界大戦からのほぼこの100年」と話す。習近平主席の主張する「一つの中国」は中国100年の「夢だ」とも指摘する。いまの日中関係について歴史家として「政治家もメディアも欧米の尺度に同調し、一知半解が多すぎる。もうちょっと歴史を勉強してくれよ」と訴えます。

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第57回目は前尼崎市長の稲村和美さんにご登場いただきました。稲村さんは「政治をプロだけにまかせるな」と若者や女性に呼びかけます。

 兵庫県尼崎市長を12年間務めた稲村和美氏は神戸大学在学中に阪神淡路大震災の被災地支援のボランティア活動に取り組んだ。道路などの公共事業が復旧していくなかで住宅再建が進まないことに疑問を感じた。「税金の使い方を変えていかなければいけない」と誓い、これが政治の世界に飛び込むきっかけになった。

 また、被災地では住民自らが決めたルールはよく守られる点に気づいた。

 この二つが尼崎市長になってからの市政運営の背骨になる。 「役所は予算不足で単独ではなにもできない。しかし、様々な資源と制度がある。市民の力を合わせるといろんなことができる」と力説する。

 議員や首長選挙に立候補することは一般市民にとってハードルが高いのか。稲村さんは「政治に触れる機会を増やすことが重要だ」といい、さらに「基礎自治体の議員選挙のハードルは高くない」と明言する。 自身、30歳で兵庫県議になり出産、子どもが5歳になった38歳の時、全国最年少(当時)の女性市長に。この経験が裏打ちされている。

 女性の活躍度を測る「ジェンダーギャップ指数」(世界経済フォーラム、2023年版)で、日本は世界146カ国中125位。政治分野に限れば138位と最下位レベル。

 女性議員を増やす制度的枠組みとして、ノルウェーのクオータ制やフランスのパリティ法が有名だが、稲村さんは日本での制度化に「有力な選択肢」と賛意を示す。そして「制度を作るにもパワーが必要。それにはまず政治に触れる環境を整備し、とりわけ多くの女性が地方議員に挑戦してほしい」とエールを送る。

 「女性がポストに就くには過剰に優秀さが求められる。ポストに就いている男性はみな優秀ですか」と日本の社会にくぎをさす。 「政治大好き人間だけで政治をやってはいけない。政治に縁がないと思っている人こそ政治に必要。政治を一部の人のものにしてはいけない」と市民派らしい論を一貫して展開した。

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第56回目は前宝塚市長の中川智子さんにご登場いただきました。

 「世界経済フォーラム(WEF)」が2023年6月に発表した男女平等の程度を示すジェンダーギャップ指数で、日本は146カ国中、過去最低の125位。前年の116位からさらに順位を落として、主要7カ国では最低となった。 「政治」「経済」「教育」「健康」の分野別にみると、「政治」が138位、「経済」が123位だった。女性の議員数や閣僚数が大幅に少なく、世界最低水準だ。

 宝塚市は、汚職で2代続けて男性市長が捕まり、市民運動や衆議院議員を経験した中川さんが引っ張り出された。

 中川さんは「生活を守る。命を守るのが市長の仕事」と言い切る。「子育て、教育、介護と女性が暮らしを支えている」。首長の半分が女性になれば、この国は変わると話すます。また、女性の首長や議員が増えれば、女性間で淘汰が進むとも。女性たちに「政治は面白い。市長の仕事も議員の仕事も楽しい。もっともっと冒険して欲しい」と結んだ。

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第55回目は同志社大学政策学部教授の吉田徹氏にご登場いただきました。「民主主義は代議制にくじ引きを組み合わせることで厚みをます」と主張します。

 近年の議会議員選挙(国政、地方レベルを問わず)の低投票率の背景に政治不信や現在の代議制不信感などがあります。吉田氏は「くじ引きを代議制とミックスすることで現在の民主主義の弱点を克服できる」とみる。

 日本ではまだ馴染みが少ないが、世界的にみると憲法改正のプロセスにくじ引き民主主義を取り入れたたケースもある。2019年に発足したフランスの気候市民会議は、国政規模で全国を対象に大々的にくじ引き民主主義が実践されたのは「初のケース」といってよく、主導したマクロン大統領のイニシアティブを高く評価する。

 日本では民主党政権が「くじ引き」の一種である「討論型世論調査」で原発政策を論じたが脱原発政策は不発に終わった。いまは北海道や川崎市など自治体レベルで気候変動対策をテーマにくじ引き民主主義を取り入れている動きがみられます。

 この動きが盛んになるかどうかについて、吉田氏は「市民が決めた決定とか答申を、自治体が政策としてどれだけコミットするかにかかる。期待値がないと住民は参加しない」と警告。 「民主主義は単線でなく複線であるべき。いま日本は国も地方もほぼ代議制民主主義一本やり。だから目詰まりを起こしている。異なるやり方、チャンネルを増やしていくことが必要で、その手段の一つとしてくじ引き民主主義がある」と明快だ。

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第54回目は日本若者協議会代表理事の室橋祐貴さんにご登場いただきました。

日本若者協議会はこれまで若者の立場から国政政党に様々な提言を行ってきました。室橋さんは今春の統一地方選の結果について「政治との距離が遠い」と話します。投票率が低い原因として「誰がやっても変わらない」といったあきらめや「今後の日本はヤバイ」といった空気感がある、と指摘します。

室橋さんは4月にフィンランドを訪問し、国政選挙を現地視察した。選挙活動は自由でお祭り気分という。背景には幼少期からの「主権者教育」「ジェンダー教育」があるという。日本の公職選挙法は制約が多く、「誰のためのルールか」と訴える。今回の統一地方選では、同協議会が政策合意した48人が当選した。室橋さんはさらに輪を広げたいと話している。

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第53回目は大阪成蹊大学教授の岡田功さんにご登場いただきました。岡田氏はスポーツを経営の観点から分析する気鋭の研究者です。

ワールド・ベースボール・クラッシク)で活躍した大谷翔平投手(エンゼルス)とダルビッシュ有投手(パドレス)の今季の年俸は3000万ドル。一方、日本プロ野球選手の最高額はオリックスの山本由伸投手の推定6億5000万円。なぜこのように差があるのか。 岡田氏は「儲ける力の差、つまり日米球団の経営力の差にある」とずばり指摘します。

例えば、米メジャーリーグの主要収入源である放映権料はリーグが一括してテレビ会社などと交渉するので有利に交渉を進められる。一方、日本は球団は個別交渉。近年ではパリーグがメジャーリーグに習って集団交渉を試みて、かつてに比べて格段の放映権料を得ている。しかし、「セリーグの有力球団が既得権を手放したくないので球界全体の動きになっていない」という。

 日本球界の経営改革策として「まずは球界がひとつにまとまること。そして、球場の新設など投資を積極的にすること」 「パリーグは改革マインドをもっている。ネックはセリーグ。球界全体で将来構想をまとめ、近代化に立ち向かってほしい」と苦言を呈します。

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第52回目は京都のロシア料理店「レストラン キエフ」会長の加藤幹雄さんにご登場いただきました。加藤さんは「一刻も早い停戦を!」と訴えます。

ロシアのウクライナ侵攻から2月で丸1年。父が開いたロシア料理店を引き継いだ加藤さんは住友金属工業(現日本製鉄)の元副社長で、歌手の加藤登紀子さんの兄にあたる。戦禍で逃げ惑うウクライナの住民を見ると、ご自身の戦争体験と二重写しになるという。

加藤さんは戦前、旧満州国のハルビンで生まれた。1945年8月、小学校2年生の夏にハルビンで敗戦の玉音放送を聞いた。両親の故郷の京都に帰り着いたのは翌年10月。「いまのウクライナの方々と同じように私も難民だった」と振り返る。

「台湾有事」が声高に叫ばれ、軍拡に走る現状に「戦争による多大な犠牲のうえにこの国は出来た。憲法9条の精神を守るべきだ。日本こそ米中の平和的解決に向けて仲介役を果たしてほしい」と話している。

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第51回目は元名桜大学教授の与那覇恵子さんにご登場いただきました。沖縄の現状を「戦争前夜」と分析し、「対話で防ごう台湾有事」と訴えます。

与那覇さんは昨年10月、沖縄で発足した「『台湾有事』を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」の呼びかけ人の一人です。

ロシアのウクライナ侵攻から丸1年。昨年末に岸田政権は軍事費倍増、敵基地攻撃能力の保有、米軍と自衛隊の一体的運用など盛り込んだ安保3文書を改定しました。南西諸島ではミサイル基地化が進み、那覇市や与那国島では避難訓練が始まっています。

こうした状況を肌で感じる与那覇さんは「戦争体験者が『不安で夜も眠れない』と訴えている。しかし、本土のマスコミや国民は無関心だ。台湾有事は日本の有事です」と怒っています。「沖縄が再び本土の〝捨て石〟になることがないように、台湾、中国、米国をはじめ、立場の違いを越えて対話を重ね、沖縄から平和を発信し続けたい」と訴えます。

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第50回目は同志社大学大学院ビジネス研究科教授の浜矩子さんにご登場いただきました。題して、浜矩子教授が斬る「日本の この10年」パート2~「防衛力強化と増税」そして「貧困と分配」を語る~

浜さんは2022年末に政府が決めた新しい防衛力整備計画(23年度から5年間で総額43兆円)について「(東日本大震災の)被災地救済のための特別税を転用すること」「建設国債を防衛費に使うこと」は許せないと憤る。ロシアのウクライナ侵攻や中国の拡張主義を目の当たりにしても「日本ぐらいは自分の国は自分で守るという考え方に与しない。それが平和憲法の精神で本当の積極的平和主義だ」とし、防衛力強化論に反論する。 日本の活性化策については、豊かさのなかの貧困が問題で、それを解決するには分配政策が重要だと指摘。いま追求すべきは「全体最適ではなく全員最適」「偏在ではなく遍在」と政府に注文する。企業の内部留保がなぜ多いのかを追究して対策を考えるのも政府の役割だ。日本没落論については「さらに成長を求めるのではなく、成熟日本でどんなおもしろいことが出来るのかを考えたほうがよい」とした。

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第49回目は同志社大学大学院ビジネス研究科教授の浜矩子さんにご登場いただきました。題して。浜矩子教授が斬る「日本のこの10年」パート1~何を間違えたのかアベノミクス~

浜さんはアベノミクスを「アホノミクス」と命名したことでも有名ですが、第2次安倍内閣(2012年12月発足)がアベノミクスを始めてから今日までの金融、財政問題などに鋭く斬りこみます。 アベノミクスは安倍元首相の21世紀版大日本帝国づくりのための手段であり隠れ蓑だ、と断じ、黒田日銀総裁を財政ファイナンスを許した大罪人と斬り捨てました。

名前をクリックするとYouTubeにつながります。土岐氏の論文は投稿欄をご覧ください。

第48回目はフリージャーナリストの土岐直彦氏にご登場いただきました。土岐氏は宮古島、石垣島、種子島を歩き、「南西諸島を自衛隊ミサイル基地化」という本を今年出版しました。「自衛隊は米国の中国封じ込め戦略に組み込まれ、台湾有事への備えという名目で次々と南西諸島にミサイル基地を作っている。すでに戦争準備体制だ」と実感したそうです。自衛隊の軍事力はアメリカ、ロシア、中国、インドに次いで第5位。国防族の掲げるように防衛費をGDPの2%にすると、第3位になるといいます。そして「いまや平和国家から軍事国家への瀬戸際」と危機感をあらわにします。「基地のできた島では77年前の悪夢の再来と住民は不安を募らせている。日本の外交はアメリカへの『抱きつき』。アメリカばかりを見ず、紛争の平和的解決をめざすASEANに学んでほしい」と訴えます。

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第47回目は元在沖縄米国海兵隊政務外交部次長で政治学者のロバート・エルドリッヂ氏

ご登場いただきました。エルドリッヂ氏は「中国、ロシア、北朝鮮の3か国の脅威に囲まれている」日本は危機への備えが「不十分」と指摘。3期目入りする中国共産党の習近平総書記(国家主席)が台湾統一に動き出す条件がそろっており、「タイミング的によい。11月から来年1月にかけて動くのではないか」と予想し、4つの理由・背景をあげる。台湾有事は「日本は当事者だ」と指摘。「台湾がなくなれば日本がなくなる」と独特の言い回しで警告する。日本は中国と戦わなくて済むように「米国の台湾関係法の日本版をつくり、国際社会が台湾を(国会として)承認するように外交努力をすべきだ」と提案。また、日本は「自分の国は自分で守る」原則にたって「核の研究をぎりぎりまでやってよい。開発に踏み切るかは別にして」と言明した。

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第46回目は神戸大学大学院経済学研究科教授の梶谷懐氏ご登場いただきました。

1972年の日中国交正常化から今年9月で50周年。梶谷氏は「日中関係は蜜月時代を経て、政冷経熱そして習近平政権下での米中対立の影響をいま受けている」と総括する。
中国は高成長から中成長の時代にはいり、格差問題が深刻化。今後は少子高齢化に起因する介護、年金などの問題が深刻化。若年層の高い失業率(20%弱)問題などと合わせて解決には大きな困難さが待ち構えている、という。
米中覇権争いの行方は「双方とも覇権争いの意識がないまま対立しているので解決は難しい」とみる。日本は「双方に対話を促していくことは可能な立場にある」と梶谷氏は指摘する。
今後の日本の中国との付き合い方には「経済中心で民間ベースの関係を重視し、そのうえで外交や米中対立の問題に取り組むべき。民間の交流が途絶えないようにすべき」と提案。最後に「一部でいわれている台湾有事がすぐに起きる状況ではない。あまり危機感をあおらないことだ」と注文をつけた。

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第45回目は弁護士の山田治彦氏(日弁連貧困問題対策本部委員)ご登場いただきました。山田弁護士は「これで良いのか!奨学金」と警鐘を鳴らします。

いま、大学や専門学校の卒業生の約半数にあたる50~60万人が毎年、奨学金という100万円単位の借金を背負って社会に出ると言われる。7月の参議院選挙でも若者の貧困問題が争点となった。山田弁護士は現在、日弁連貧困問題対策本部委員で、長年にわたりクレジット・サラ金問題を手がけ、多重債務の整理や自殺対策に取り組んできました。そして、「日本学生支援機構の奨学金はいわば『官製の教育ローン』」とまゆを曇らす。

近年、高等学校卒業後、大学に約半数が進学し、専門学校へは約3割、合わせると8割が高等教育に進学する。国立大学の授業料は年間54万円に達し、私学や専門学校だと100万円を超える。親の仕送りは減っており、奨学金の重要性が増している。

奨学金事業の中心は独立行政法人・日本学生支援機構。山田弁護士に返済の相談で多いのは奨学金額400万円ほどという。中には高校から大学院まで総額1500万円というケースもあった。奨学金は卒業後半年で返済が始まる。返済が滞ると、連帯保証人の親に突然「一括請求」の通知が届くこともあるという。

山田弁護士は「奨学金は人生で2番目に大きな買い物。借りるときはよく調べ、返済に困ったときは早めに専門家に相談を」という。また「奨学金は貧困の世代間連鎖を断ち切る必要な手段だ」と指摘し、「教育論議で受益者負担論や自己責任論が幅をきかすが、人こそ最大の資源。将来は大学無償化も視野に議論を」と力説した。

第44回目は元四国旅客鉄道会長の梅原利之氏にご登場いただきました。

梅原さんは「津軽海峡トンネルは日本の安全保障に不可欠だ」と主張する。北海道と青森県の間にトンネルを掘り高速道路で結ぶ構想で、JAPIC(日本プロジェクト産業協議会)が提唱し、地元自治体や経済界が実現運動を展開中だ。 梅原さんは食料の安全保障と軍事の安全保障の国家的見地からその必要性を強調します。 世界的な食糧危機や有事に備えて日本の食料自給率(37%)を引き上げるには北海道の農業の活性化が必要だが、農産物を本州方面に運ぶときに隘路になるのが輸送ルート。青函トンネルは新幹線用に計画されたのに貨物と共用されているため新幹線用にも貨物用にも中途半端な存在。フェリー輸送は時間もコストがかかる。北海道の潜在能力を活かすには津軽海峡トンネルによる高速道路輸送で時間もコストも大幅に引き下げる必要があると指摘する。

軍事上の安全保障は北海道の地政学を考えてのこと。冷戦終結後、日本は対ロシア防衛から南西諸島防衛にシフトしたが、今回のロシアによるウクライナ侵攻で、再び北海道における防衛力強化が迫られていると指摘。有事の際、本州から軍用車両や兵站を本州から北海道に送る時には津軽海峡トンネルの高速道路が力を発揮するという。

梅原さんは日本列島の四つの島で、本州と新幹線がつながっていないのは四国だけ、本州と高速道路がつながっていないのは北海道だけ。我が国の交通体系の骨格は新幹線と高速道路によって形成されるが、それらが二つそろってこそ相乗効果がでる。「国家百年の大計にたち、四国新幹線と津軽海峡トンネルを直ちに公共事業として建設すべきだ。日本人は危機管理能力がない、なんって言っている時ではない」と力説した。

第43回目は元衆議院議長の伊吹文明氏にご登場いただきました。

伊吹文明さんは1983年に旧京都1区から初当選して以来、財務大臣、自民党幹事長、衆議院議長など、国政の要職を歴任し、昭和、平成、令和と3代にわたり政治の中枢で活躍。この間、選挙制度は中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に変わり、与野党の政権交代も2度経験しました。

 伊吹さんは小選挙区制について「過半数以上が死票になる。これが最大の欠点だ」という。小選挙区制は「統制経済の配給制のようなもの」で、候補者が自民党の公認候補になれば当選できると錯覚している、と話す。政治家の事件やスキャンダルの背景に「バッチを付け、先生と呼ばれたいために議員になる人がいる」と嘆いた。 伊吹さんは「ノーブレス・オブリージュ」(noblesse oblige)という言葉を上げた。フランス語で、高い地位の人には道徳上の義務が求められることを意味する。議員一人ひとりの自覚なり、矜持、倫理観が必要という。保守の基本的な考え方は人間を尊重しながら人を動かしていこうということだと話した。

国会運営について、寛容⇒説得⇒妥協⇒多数決が大切だ、という。また、緊張感を取り戻すには、「自民党にとって厳しいかも知れないが、与野党が近接した状況を作り出さないといけない」と。多様な意見が尊重され、付和雷同のようなポピュリズムに陥らないようにして欲しいと注文した。

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第42回目は老舗ジャーナリストの前川洋一郎氏にご登場いただきました。元松下電器産業(現パナソニックホールディングス)取締役の前川洋一郎氏は創業100年以上のいわゆる「老舗」企業には激動の現代を生き抜く経営の極意が詰まっている、と主張します。 前川さんの推計では日本の老舗は約10万社。世界的にも多いとされるが、共通する特徴を「復元力があること」と分析。そして日本型理念経営の特徴を7つあげ、現代経営者が見習うべき点を「しなやかさ」「したたかさ」「公の心、公器の責任」とした。ご自身の経験から、 海外発の経営手法をありがたる風潮には警鐘を鳴らし、「日本型経営に立ち返り、磨き上げて使えるものは使っていくべき」と言います。 出身の松下電器産業(現パナソニックホールディングス)も創業100年を迎え、ずっこけそうになったが持ち株会社制に移行するなどで持ちこたえた。これを「復元力があったから」と分析しました。

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第41回目は大阪歴史博物館の大澤研一館長にご登場いただきました。

今年は聖徳太子が亡くなって1400年。昨年から各地で展覧会やシンポジウム、イベントが開かれ、聖徳太子と「古代のなにわ」への関心が高まっている。大阪歴史博物館の南東には奈良時代の難波宮の史跡公園が広がる。聖徳太子1400年遠忌によせて長年、大阪の地域史を研究してきた大澤館長に大阪の歴史的なポテンシャルとそれどう生かすべきか、などを聞いた。

大澤館長は「大阪は時代によって都市の性格が変わる」という。古代の難波津は、国際港であり、政治的役割を担った。博物館の南に5世紀の巨大な高床式倉庫が復元されているが、16棟も見つかっている。強い政治権力がうかがえ、周辺では物造りの遺跡が相次ぎ出土した。飛鳥時代には隋からの使節を受け入れ、難波津には外交使節団を受け入れる迎賓館が立ち並んだ。さらに奈良時代にかけて一時期、都が置かれた。

中世は政治の表舞台から姿が消え、衰退したイメージがあるが、都市の重点は宗教に移る。京都から朝廷や公家がしばしば四天王寺や住吉に参詣する。港は難波津から西の渡辺津に移り、上町台地の西端、「浜路」が主要道となり、四天王寺、住吉、熊野詣が盛んとなる。さらに蓮如の大坂本願寺が出現する。織豊時代を経て江戸期になると、経済的役割が大きくなった。大坂はその都度人口の離合集散が起こり、都市がリセットされてきた。

聖徳太子1400年遠忌記念のスタンプラリー「聖徳太子巡礼に道」は7コース。「遣隋使往来の国際港・難波津と上町台地のいにしえをたどるコース」「聖徳太子創建の四天王寺とゆかりの地を訪ねるコース」「聖徳太子若き日の祟仏戦争の史跡をたどるコース」「聖徳太子が歩んだ龍田古道と舞楽伝承の聖地をたどるコース」「聖徳太子が後半生を過ごした斑鳩を巡るコース」「太子伝承と古代寺院跡をしのぶコース」「聖徳太子廟と王陵の谷を巡るコース」。「従来、ばらばらに取り上げられていた太子ゆかりの地がつながった。古代の大坂を振り返るきっかけにしてほしい」という。

大澤館長は「大阪はいつの時代も打たれ強く、先を見る気質がありリセットする力がある」という。文化が育たないと言われるが、安定期に入ると、新しい文化が生まれている。歴史博物館として「大阪の人が日ごろ気付かない大阪の魅力を発信していきたい」と話している。

※参照:投稿「古代の難波は輝いていた~聖徳太子1400年忌まち旅シンポジウムによせて」(投稿の文字をクリックしてください)

第40回目は昨年夏に封切りされた映画「かば」の監督・川本貴弘さんにご登場いただきました。

映画は1985年の大阪・西成の中学校が舞台。実在の中学校教師と生徒たちの実話をもとに、在日、部落、沖縄といったテーマが折り込まれ、パンフレットにあるように「出自、偏見、校内暴力、すさんだ家庭環境……描かれる一つひとつのエピソードに迫力があり、子どもたち、教師たちの言葉はリアルで生々しい」。映画はそれぞれの子どもたちが抱える悩み、それを真っ正面から受け止めようとする先生たち、その中で物語が進行して行く。(映画「かば」のホームページはhttps://kaba-cinema.com/

川本貴弘監督が「かば」のテーマに出会ったのは2014年に京都市内で開かれた前作「傘の下」の上映会でのこと。上映会に来ていた人から4年前に亡くなった蒲益男さんという中学校の先生の話しを聞いた。西成に興味があった訳ではないが、蒲さんの同僚の先生方と会っているうちに、この先生方の群像を描きたいと思うようになったという。資金面や撮影スタッフとの行き違い、地元との折衝など何度ともなく、映画制作は壁にぶつかり、昨年やっと7年がかりで完成した。
いま、小中学校の教員の6、7割が過労死ラインを超えると言われ、うつ病などで休職を余儀なくされている教員は年間5000人にのぼる。「教師崩壊」という言葉も生まれた。川本監督は「この映画は昭和が舞台。いまでは〝時代劇〟です。この時代にあるヒントをいまの時代に反映出来ないかな、と思う。いまも子どもが好きで先生になった人が多いはずだ。もう一回、これを見て教師になったころの熱い気持ちを思い出して欲しい」と話す。
映画「かば」は昨年7月末から自主映画上映館などで上映中。昨年11月に開かれた第46回湯布院映画祭には招待された。
また、川本監督は映画作りで世話になったと、昨年11月、物語の地元、西成区の三角公園で上映会を開き、炊き出しも行った。
川本監督は「映画は完成して終わりではなく、見てもらって始まる。一人でも多くの人に観ていただきたいので、全国何処へでも持っていき、対話をしていきたい」という。
人とひとの接触が希薄化するいまの時代こそ、映画の問いかける「人とひとがしっかり向き合う大切さ」を思い起こさせられます。

映画「かば」予告編
https://www.youtube.com/watch?v=Q63nTrV5HsY&t=10s

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第39回目は(一社)大阪スポーツマンクラブ会長の玉置通夫さんにご登場いただきました。

玉置氏は今夏行われた東京五輪について、「どちらかと言えば失敗と言ったほうが適切だ」と総括する。その理由として、「開催理念が東日本大震災からの復興、新型コロナに打ち勝った証、そして世界の団結の象徴へと変わり、何を大義に掲げた大会か見えにくかった」ことをまずあげる。安心・安全な大会といいながら、選手の規則違反が見られ、ボランティア中心に多くの感染者が出た。さらには「いまもって大会のレガシーが見つけにくい。選手と地元との交流があれば将来につながるのだが、それもなく残念だ」と手厳しい。
大会開催経費の膨張にも苦言を呈する。2013年の立候補ファイルの7340億円が2020年12月には1兆6440億円と2倍以上に。これに関連経費を加えると3兆円を超える試算もある。決算はまだ発表されていないが、関連経費を含めると最終的には赤字は2兆円を超えるとの指摘もある。こうした状況について、玉置氏は「ロサンゼルス大会以来の商業主義の路線をいいかげん方向転換しないと立候補都市がなくなる」と警鐘を鳴らす。
対策としては、「競技場の規模に関するIOCのしばりをなくすこと、夏の競技種目を冬に移すこと、競技以外の文化プログラムなどに力点を置くこと」などを提唱する。
東京大会は「無観客でも成り立った。(テレビ放映があればよく)とすれば巨大施設を新設する必要はなく、既存施設を活用するばいいことが分かった」と大会の「負」の意義を強調した。
また、IOCの貴族趣味体質を批判し、「非ヨーロッパ系の会長を誕生させて改革するしかないのでは」と指摘した。
札幌市が招致を目指している2030年冬季五輪について「消極的な反対」だ。

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第38回目は社会福祉法人「関西いのちの電話」記録分析委員会委員長の長尾文雄さんにご登場いただきました。長尾さんは「一人でも助かる命救いたい」と決意を語ります。

「いのちの電話」のルーツは1953年、英国ロンドンで自殺防止を呼び掛ける運動から始まりました。「関西いのちの電話」(大阪市)が設立されたのは1973年、日本では東京に次いで2カ所目。現在300人強のボランティアが24時間体制で対応しています。

自殺をほのめかす電話は2012年が4329件でしたが、2020年は2725件と減少しました。しかし、警察庁の自殺統計と同じ傾向で、新型コロナウイルス感染症の拡大が長引くにつれて自殺をほのめかす電話が増加傾向にあると言います。 2020年全体の相談件数は1万8685件と前年比16%減少しましたが、長尾さんは「コロナで相談員が外出しにくくなっているため受ける体制が追い付かない。潜在的な相談は多くある」と分析します。

相談員は全員が無償のボランティアで、交通費も自腹。平均年齢は66歳と高齢化が目立つ。「若い人に入ってきてほしいが、いまの経済社会状況では2年間の研修期間を確保するのがなかなか難しい」とため息をつきます。 運営費は民間の浄財。長尾氏は「行政も支援を真剣に考えてほしい」と訴え、広報の充実を図っていく考えです。

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第37回目は追手門学院大学経済学部教授の近藤伸二さんにご登場いただきました。近藤さんは毎日新聞香港支局長、台北支局長を歴任した日本有数の台湾問題専門家です。

中国の戦闘機が台湾の防空識別圏に進入を繰り返すなど中国が台湾への圧迫を強めています。果たして、中国の台湾への武力侵攻はあるのか。近藤さんは「短期的には可能性はそれほど高くない」と指摘します。ただ、偶発的な衝突を危惧します。 仮に有事が起きれば、米国は民主主義陣営の信頼を失わないために台湾防衛に乗り出すと台湾側はみており、その際には在日米軍が中国の攻撃対象となる、と分析。台湾海峡の原油タンカー航行と台湾の半導体生産などで日本は大きな影響を受ける。「台湾問題は日本にとって決して対岸の火事ではない」と警告します。

中国と台湾が9月にTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への加盟を申請ました。近藤さんは「加盟基準を満たしているかどうか、で判断すればいい」といいます。

日本は台湾問題にどのように向き合いばいいのか。天安門事件後の制裁に関して日本は先駆けて正常化に動いたことを例にあげながら、「日中関係は米中関係とも違う。米国と情報共有しながら、日本は独自の外交を展開する余地はある」とし、独自外交に期待しています。

 

お知らせ 編集後記欄を新設しました。

第36回目の豊岡アートアクション理事長で前豊岡市長の中貝宗治さんの「編集後記」をアップしました。ホームページの「編集後記」欄をクリックしてご覧ください。

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第36回目は豊岡アートアクション理事長で前豊岡市長の中貝宗治さんにご登場いただきました。中貝さんは「小さな世界都市」を掲げて合併前の旧豊岡市長時代から20年近く市長を務めて来られました。「コウノトリを飼育する町からコウノトリが舞う町へ」と、1971年に絶滅した国の特別天然記念物・コウノトリの野生復帰を目指し、環境整備に努力されました。また、「演劇」を取り入れたまちづくりをブランディングの軸に据え、兵庫県の施設を引き取って「城崎国際アートセンター」として再生し、国内外の演劇ファンの注目を集めました。

今春、劇作家・平田オリザさんと連携して、兵庫県立芸術文化観光専門職大学の開校にこぎ着けました。さらに人口減の大きな原因は「若い女性がすーっといなくなること」と表現し、ジェンダーギャップの解消を進めてきました。

中貝さんの取り組みは地方都市の一つのモデルケースとして注目を集めていましたが、市長選挙で5選をめざした今春、対立候補に僅差で敗れました。中貝さんは「ローカルからグローバルに発信できる時代だ。地方分権はさらに進めるべきだ」「リーダーはバラマキ行政ではなく、ビジョンを示して欲しい。合わせて苦しんでいる人への目配りを忘れてはならない」と話します。

中貝さんがめざした「小さな世界都市」とは何か、さらに少子高齢化とグローバル化が進む中で、地方都市は何を目指すべきか、選挙の敗因も含めてお聞きしました。

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第35回目は兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科科長・教授の室﨑益輝氏にご登場いただきました。

今年は阪神淡路大震災から26年、東日本大震災から10年を迎えました。阪神淡路大震災の犠牲者は6434人を数え、東日本大震災では死者と行方不明者が1万8425人、避難生活などで亡くなった「震災関連死」は3700人以上で、「関連死」を含めた犠牲者は2万2200人にのぼります。

室﨑教授は、「地震の活動周期は約100年で、活動期と平穏期が各50年、阪神淡路大震災が活動期のスタートとすれば、すでに半分過ぎ、最大の区切りを南海トラフとして次の大災害への準備段階に入っている」と言います。 「正しく恐れて正しく備えることが肝心」が持論で、「災害への対応は起きてからでは遅い。過去の教訓を正しく受け止めて備えを怠らなければ被害を抑えることができる」と指摘します。さらに「被災後だけでなく、事前の対策にも資金を投じれば費用対効果も上がる」と強調。また、災害多発時代にもかかわらず、市民も行政も国も、関心が希薄化していると危機感を訴えます。インタビューの最後に「知事も首相も就任すれば、当大学の減災復興政策研究科に来て災害にどのように備えるか学んで欲しい」と話しました。

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第34回目は一般社団法人こもれび代表理事の水流添綾(つるぞえ・あや)さんにご登場いただきました。

社会福祉士でスクールソーシャルワーカーの水流添さんは、2010年に大阪市西区で母親が育児放棄し幼い姉弟が餓死する痛ましい事件が起きたことにショックを受け、2013年に「こもれび」を設立した。無料の子ども食堂の運営資金を捻出するため東奔西走し、2015年3月障がい児相談支援や居宅介護支援を扱う「ぜろひゃく相談支援センター」(収益事業)を立ち上げ、同年12月に子ども食堂「夕刻の場いるどらぺ(仏語=平和な場所)」のオープンにこぎつけた。
社会課題の解決のために収益事業と非収益事業組み合わせる「社会起業家」的手法ともいえる。今年4月からは不登校の子どもらを対象にしたフリースクールを開設する。すでに子ども食堂などを通して不登校だった中学生が卒業後、高校に毎日通う成功例もでている。

「不登校など制度の枠組みから外れた子どもたちの居場所がもっとあっていい。日本の未来に大きな影響があるのだから」と強調。「学校教育はすばらしいが、画一的な学校に適合出来ない子どももいる。不登校には自己責任だけでは解決できない要因がある。それに目を向ければいろんな手立てがあるはず」とフリースクールへの支援を訴えます。

第33回目は学校法人清風明育社 清風情報工科学院理事長の平岡龍人氏にご登場いただきました。平岡氏は大阪都構想が2020年11月の住民投票で否決されたことに「地方が復権する千載一遇のチャンスを逸した」と残念がります。そして、今後大阪の目指す道は国際的な金融都市だと明言。「金融都市・大阪の新しいシンボルとして世界一高い木造タワーを作ろう」と提案します。351㍍のタワーから堺市の世界遺産を見えるようにすれば、世界の観光客を呼び寄せる目玉になるという。木造建築は環境の時代の新潮流で、住友林業が創業350年を迎える2041年に70階建て、350㍍の超高層木造ビルを建設する計画を検討しており、「ぜひ大阪タワーに協力を」と呼びかけます。また、平岡氏は関西国際空港の深い水深を活用して「喫水22㍍の大型船が利用できる港を建設して、関空を空と海の一大物流拠点にすることが大阪の再生につながる」と力説した。

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第32回目は大阪大学総合博物館前館長で同大学大学院の橋爪節也教授にご登場いただきました。11月1日、「大阪市廃止」の賛否を問う住民投票が行われ、「反対」が僅差で「賛成」を上回り、明治22年(1889)以来、130年余続いた大阪市の存続が決まりました。 大阪は東京の「帝都」に対して「民都」と言われることがあります。江戸時代、大阪には155カ所に橋が架かっていました。幕府が建設費や維持費を負担したいわゆる公儀橋はわずか12カ所。残りは町衆が作り、維持したものでした。 明治以降も中之島公会堂や中之島図書館は個人の寄付で出来ました。大阪城や通天閣もしかりです。大正後期から昭和初期にかけては人口・面積・工業出荷額において日本第一位なり、「大大阪」と呼ばれた時代がありました。 大阪のど真ん中、島之内で生まれた橋爪節也教授は、〝未来〟は、膨大な〝過去〟と進行中の〝現在〟から誕生するものである、と強調。御堂筋を作った関一市長を「市民の団結をはかった」と評価し、そんな中、進取の気風を尊ぶ「大大阪」が生まれたと分析します。そして、これから大阪が目指す道は、「自分たちの町を伝え、見つめる」ことに未来のヒントがあると示唆しました。

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第31回目は創業354年のヤヱガキ酒造(株)第14代当主で会長の長谷川雄三氏にご登場いただきました。

姫路市に本社を置き、国内シェア6割を握るベニコウジ色素など酒造で培った食品用色素などのバイオ関連に事業の軸足を移しています。すでに酒類の売上高を上回り、「多角化を進めず酒だけだったら会社は危うくなっていたかも」と言います。一方で需要減の日本酒の再活性にも力を入れ、米国に製造会社を設立し、確こたる地歩を築いています。
ヤヱガキ酒造の真骨頂は「独社経営」や「一家族経営」「大きくなりたくない。良い会社になりたい」などユニークな経営にあります。ヤヱガキ酒造から細胞分裂するようにヤヱガキ醗酵技研やヤヱガキ・ジャパンなどが独立しました。これが「独社経営」です。一家族経営は兄弟親戚などの一族には経営に一切関与させない承継方法です。また、会社は小さければ小さいほど良いと考えて「50人が一つの塊としては最適」を実践しています。
コロナ禍の経営について、長谷川氏は「人口1億人割れの2050年に向けて、いまこそ嗅覚を磨く時。磨いた企業が成功する。しかし、大きくならない。大きくなれば嗅覚が鈍る」と自戒します。

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第30回目は日本テレマン協会音楽監督・ジェネラルマネージャーの延原武春さんにご登場いただきました。今回のコロナ禍で演奏会が次々と中止になったことに「最初はメンバーに腕を磨く充電期間だ、と言っていた。長くなり、そうも言っておれなくなった」と窮状を訴えます。政府の支援については「手厚い施策をしてくれている」と評価。一方で「出口が見えない。いまのガイドラインなら、定員の3分の1ほどしか収容できない。8割ほどまで緩和していただけると助かる」と要請します。
日本テレマン協会は延原さんが50余年前に旗揚げし、バロックからベートーベンまでをカバーする室内楽団として熱心なファンを獲得してきた。今年がベートーベン生誕250周年にあたる。様々な企画を練ってきたが、そこにコロナ禍が襲った。コロナ禍にへこたれず、新しい試みを打ち出すなど意欲にあふれています。
インタビューは、4月の定期演奏会の延期公演が大阪市中央公会堂中集会室であった8月24日の翌日、大阪市北区堂島浜の「中央電気倶楽部」で行った。

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第29 回目は日本弁護士連合会災害復興支援委員会委員長の津久井進氏にご登場いただきました。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、4月、政府の「緊急事態宣言」を受けて日弁連災害復興支援委員会委員長の津久井氏ら有志約200人が政府に「災害法制の知惠を生かせ」との緊急提言を提出。その中で①新型コロナの感染拡大は災害対策基本法が定める「異常な自然現象」と解することが可能②感染症の拡大は「災害」と捉え、市民に自宅待機を求めたり、警戒区域を設定し、立ち入り制限ができる③「激甚災害」の認定をすれば、雇用保険が活用できる――などを盛り込みました。
この提言は、国会でも取り上げられ、新型コロナウイルスの影響で休業させられたものの休業手当が支払われなかった労働者に休業前賃金の8割を直接支給するという「みなし休業給付」の実現などにつながりました。
津久井氏はこれからの心配は災害では繰り返し起こってきた関連死という。社会がコロナ禍で取り残された人の救済に目を配り、何が足りないか声を上げることが重要だと指摘します。コロナへの対処でも「災害ケースマネジメント」の考え方を取り入れた対策を進めてほしいと促します。

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第28 回目は関西大学名誉教授の大西正曹氏にご登場いただきました。「まいど教授」と愛称される大西氏はポストコロナ時代の中小企業再生のカギは5つあるという。

①モノからコトへの転換、差から違いへの転換②地財の見直し③消費者の立場からの見直し④産地間ネットワークシステムの構築⑤メンテナンスの視点━━の5つです。

大西氏は今回のコロナ禍でわかったことは急激な技術革新や経営革新により中小企業の優勝劣敗が際立つことだ、という。このため、ポストコロナ時代を生き抜くには5つの視点をベースに、まず自社の立ち位置の明確化、自社の地財(ノウハウ、技術、人材、取引先など)の点検を行い、どんなことが出来るのかを考えることが重要だと、指摘します。

また、ポストコロナ時代は「経営者が従業員から採点される時代で、経営者の資質がこれまで以上に問われる時代である」と断言。経営者は行政やシンクタンクなど他人任せにせず自立した経営を心掛けよ、市場は国内にも潤沢にある、とエールを送ります。

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第27 回目として、大阪フリンジフェステバルの仕掛け人、中立公平さん(一般社団法人「フェスティバーロ」代表理事)にご登場いただきました。中立さんは「大阪を英エディンバラのような祝祭都市にしたい」と意気込む。エディンバラは英国スコットランドの首都で、毎年夏に開催される世界最大規模の「フリンジフェスティバル」が有名。プロ・アマ、有名・無名にこだわらずだれでも参加できるのが特徴だ。中立さんはご両親の劇団を引き継ぎ、大阪・阿倍野を拠点に活動するなかで、このフリンジフェスティバルに出会った。2014年、阿倍野に日本で最も高いビル「アベノハルカス」が開業し、地元企業などが活性化策を練っていたころ、求めに応じて天王寺・阿倍野地区に集まる小劇場やホールに着目し、「フリンジフェスティバル」を提案。2018年に第1回「大阪フリンジフェステバル」を開催しました。中立さんは「大阪はフリンジとの相性がピッタリ」「フリンジの仕組みは三方良し」といい、3回目となる今年のフリンジフェスティバルの飛躍を期しています。

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第26 回目として、エルセラーン化粧品の会長(1%クラブ相談役)石橋勝氏と社長(1%クラブ代表)糸谷沙恵子氏 にご登場いただきました。「ボランティア活動をするために起業」した石橋氏は創業3年目の1983年、エルセラーン化粧品を販売する販売員(代理店)の女性たちが利益の一部を寄付する「エルセラーン1%クラブ」を立ち上げて、自ら代表(現在は相談役)に就任、ボランティア活動を始めた。マザーテレサの影響を受け、2008年、タイで「スラムの天使」と呼ばれていたプラティープさんと出会い、アジアなどの途上国に小学校を建設するプロジェクトに着手。これまでに175校を建設・寄贈した。目標は1000校で、すでに約140校が計画・準備中だ。2代目社長(1%クラブ代表)の糸谷氏は「ホテルを全国10カ所に建設して、学校を卒業した子どもたちと一緒に働きたい」と抱負を述べた。

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第25 回目として、大林組会長(大林財団理事長)の大林剛郎氏にご登場いただきました。先ごろ『都市は文化でよみがえる』(集英社新書)を上梓した大林氏は、都市を蘇らせるには「各地域がその土地に根ざした文化、アート、食を再発見すること」と地元資産の再評価を奨める。さらに「国内外を見ると、他に例のない取り組みをしている都市が成功している」と言及、物まね的な文化展やアートフェスティバルなどには警鐘を鳴らす。大林組が育った大阪について「中之島地区には大阪市立東洋陶磁美術館、大阪市中央公会堂、大阪府立中之島図書館、中之島香雪美術館、国立国際美術館などに続いて大阪中之島美術館が2021年度に開館するなど文化施設が集積する。これを売り出せば文化シティーになるポテンシャルは十分ある」として「中之島文化ゾーン構想」を提案。また、文化行政を進めるにあたっては首相や首長のリーダーシップが重要で、民間が文化支援しやすい税制も不可欠と指摘する。一方で美術館・博物館側にも民間支援を呼び込む努力を求めた。

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第24 回目として、NPO法人西成チャイルド・ケア・センター代表理事・川辺康子さんにご登場いただきました。川辺さんは2012年、大阪市西成区に「にしなり☆こども食堂」を開設。2017年に直面した存続の危機を乗り越え、2018年の利用者は延べ8880人(大人も含む)に上ります。「温かいご飯が命と心を元気にする。つながる安心を知って人生が変わっていく」の想いを受けて、今では食堂を支援する側に回る子どもたちも出ています。しかし、こども食堂だけでは支えられない母も支える居場所が必要だと、今度は「地域の実家『にしなり☆つながりの家』」計画に取り組みます。母子が一緒に泊まれる全国初の試みで、「西成が変われば大阪が変わる。大阪が変われば日本が変わる」と東奔西走しています。

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第23 回目として、中牧弘允・千里文化財団理事長にご登場いただきました。中牧氏は千里文化財団と関西・大阪21世紀協会が協力して設置した有志による検討会「大阪・関西万博を考える会」の座長を務め、2025年大阪・関西万博のレガシーとして何を残すべきか、などの提言をとりまとめました。その中で、レガシーとして「いのちを考える大運動」「パビリオンから(熟議の場としての)アリーナへ」を提唱します。全国津々浦々、家庭、学校、会社、町内会など様々の単位で「熟議」した経験と記憶、さらには記録を運動として未来へ引き継ぐことがレガシーとなる、と言います。具体的には無形遺産のレガシーとして「アスペン会議のような会議体の創設」、有形遺産のレガシーとして「いのちのミュージアム(人類文明史博物館、地球生命文明学研究館)の実現」を打ち出しました。

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第22 回目として、参議院議員で自民党北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会委員長の西田昌司氏にご登場いただきました。西田氏は未整備の敦賀・大阪間の財源について「建設国債でやればよい」と力説する。財務省の財政再建路線を「国民は騙されている。国が借金を背負い、民間に資金を流すことで経済が回る」とし、現代貨幣理論(MMT)を展開します。ただ、自民党内では財政再建路線派も強く、敦賀・大阪間の環境影響評価を実施する4年の間に財源の目途をつけ、金沢・敦賀間が完成する2023年春直後から工事に取りかかれるように党内世論を盛り上げてゆくと決意表明。四国新幹線や山陰新幹線などの早期着工を掲げる地域とも連携したいと言います。

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第21 回目として、計算科学振興財団(FOCUS)の共用専門員兼主任研究員、西川武志氏にご登上いただきました。西川氏は「AIはゼロから1を生み出すことはできない。経営判断もできない」と強調する。しかし、「分進秒歩」で進歩するAIは大量のデータを超高速で処理するのは得手で、経営者はその処理した結果を使って経営判断すれば、しない企業に比べて優位に立てる。つまり人間とAIは共存する、という。ただ、2045年に「シンギュラリティ(技術的到達点)が起こる」「そのときAIは人間の知性を超える」といった諸説に対しては、「あり得ない」と一蹴する。人間の知性とはなにかを解かないかぎり人間と同じようなものは再現できないからだという。また、AIの発達に社会制度が追い付いていないとし、今後は技術的側面と法律的側面の両方を理解している人材が必要だと指摘する。さらにAIが不得手な抽象概念を扱えるように子供を育てていくことが大事ともいいます。

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第20 回目として、(株)マザーネット代表取締役社長、上田理恵子さんにご登場いただきました。17年間の会社勤めの経験をもとに子育て中のワーキングマザーを支援するマザーネットを設立。いわゆる「小1のカベ」「小4のカベ」を乗り越えるには「ベビーシッターなど他人の手を借りることも選択肢の一つ」とアドバイスする。今年10月からの幼児教育・保育の無償化について「3~5歳の保育料の無償化はうれしいが、待機児童対策にもっと予算を投じるほうが大切という声が圧倒的に多い」「箱物を作るだけではダメで、保育士の待遇改善が不可欠」と批判する。さらに、「フランスではベビーシッターなど育児にかかる費用の半額を個人所得税から控除したり、企業が育児にかかる費用を負担した場合には経費の4割を法人税から控除するなど税制上の措置が講じられている」とし、政府に両立支援税制の整備を求める。一方、企業には「両立支援は経営戦略、採用戦略としても重要」「中小企業でも両立支援が広がってほしい」と期待する。

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第19 回目として、山田真裕・関西学院大学法学部教授にご登場していただきました。関西学院大学法学部の山田真裕教授は2019年春の統一地方選で投票率が低下し、無投票当選が増えたことについて「国際的にみて日本人の政治への関心が極端に落ちているわけではない」としながらも、その背景に「地域社会の崩壊がある」と指摘。処方箋として「地方議員の待遇を上げ、かつ地方に就業機会の増大を図る」ことで議員のなり手を増やさないと状況は悪化する一途だ、と警鐘を鳴らす。また、政治制度について、「それをきちんと運用するには、それを支える精神、文化、心もちが大事だが、日本の弱みは心もちだ」と批判する。最近の政治の劣化には「候補者の質を担保する責任は政党にある」と注文する。参院選に向けて、「子供たちのためにも優秀で国民に愛情のある政治家を選びたい」とメッセージを送る。

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第18回目として、ジャーナリストの井上久男氏にご登場していただきました。朝日新聞経済部記者時代の1999年、「日産・ルノー提携」をスクープ、以来20年にわたり日産・ゴーン問題を取材。日産・ゴーン問題の本質はコーポレートガバナンスの欠如と断じる。ゴーン氏のイエスマンに徹することで高い報酬を得ていた人々がいて、西川広人社長もその一人という。今後、日産には異端児を抱える多様性を求め、社会を豊かにする会社に戻れと提言。100年に一度の大変革期にある自動車産業が生き残るには次世代技術投資を積極的に行い、トヨタ系だけでなく、非トヨタ系部品メーカー連合が必要と力説。ホンダの四輪事業の将来を危惧する。

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第17回目として、山本特許法律事務所創業者の山本秀策氏にご登場していただきました。一代で日本トップレベルの特許法律事務所に育て上げ、「知財は武器だ。知財戦略なくして日本経済の成長なし」が持論だ。ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授ががん免疫治療薬「オプジーボ」を共同開発した小野薬品工業に対し、特許使用料の分配額の引き上げを求めた紛争の根底には「(知財についての)無知と日本人の甘さ」があると指摘。解決には小野薬品がお礼金を差し上げること、と助言する。また、日本の知財戦略については「米国に30年遅れ、挽回は無理」と手厳しい。今後、日本はデジタル時代を生き抜く人材教育に全力をあげるべきだと提言する。

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第16回目として、千房(株)会長の中井政嗣氏にご登場していただきました。中井氏は「千房」を一代で全国有数のお好み焼きチェーンに育てた。10年前、元受刑者の雇用を始め、5年前からは日本財団の協力も得て、法務省とも連携し元受刑者雇用の促進を図る「職親(しょくしん)プロジェクト」を立ち上げた。現在、全国で120社が参加。「過去は変えられないので問わない。変えられるのは自分と未来」が信念。受刑者の教育訓練や出所後のフォローアップの充実を国に注文する。

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第15回目として、四国経済連合会の千葉昭会長にご登場していただきました。千葉会長は、唯一新幹線空白地域の四国が抱える過疎化、高齢化などの課題解決には新幹線の整備が不可欠だ、と強調する。国の財政状況を考えると、JAPIC(日本プロジェクト産業協議会)が提唱した割安の単線式新幹線が有力整備方式に一つと認める。道路財源を削って新幹線に回せとは主張せず、整備新幹線財源(年間800億円弱)のかさ上げが必要だという。また、在来線の高規格化では対応できないと否定。政治への働きかけを強めるためにも、四国が一つになって新幹線の必要性をアピールしていくべきと決意表明する。

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第14回目として、「ワールドマスターズゲームズ2021関西」組織委員会事務総長の木下博夫氏にご登場していただきました。2021年、アジアで初めて関西で開かれる生涯スポーツの祭典で、木下氏は今大会を通じて生涯スポーツ先進地域関西を目指すと意欲を示す。それを実現するためにレガシー委員会を設置し、ストレスのない競技運営、アスリートのネットワークと連携した地域の活性化、関西発スポーツ医学の確立、企業と協力した働き方改革にも資するスポーツ振興――などを呼び掛ける。また年齢・性別・障がいの有無に関係なく参加できる「インクルーシブな大会」を全面に打ち出す。ボランティア募集などで東京オリンピック・パラリンピック競技大会とワールドマスターズゲームズの3大国際スポーツ大会組織委との連携も確認。準備は順調だ。ただ、課題は認知度の向上だ。

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第13回目として、木村幹・神戸大学大学院国際協力研究科教授にご登場していただきました。韓国の最高裁は2018年10月と11月に、新日鉄住金と三菱重工業に対して元韓国人徴用工と元女子勤労挺身隊員らに損害賠償の支払いを命じる判決を確定しました。木村教授はこの判決を「(日韓関係を壊す)破壊的判決」と断じます。日韓両国の最高裁が1965年の日韓請求権協定について正反対の解釈をした結果、今後、日韓両政府による解決の道筋は見通せなく、「ICJ(国際司法裁判所)かICJもどきの国際法的な枠組みで解決する時を迎えている」と提言。さらに「日韓だけは分かり合えるとの幻想を捨てるべき時だ」とも直言します。

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第12回目として、大阪成蹊大学教授(スポーツマネジメント学科)の田村匡氏にご登場していただきました。テーマは2021年5月に関西で開催される「ワールドマスターズゲームズ2021関西」です。田村氏はこれを機会に「関西を生涯スポーツの首都に育てよう」と提言します。同大会は世界最大の生涯スポーツの国際総合競技大会で、日本にスポーツ文化を定着するのに大きな役割を果たすだけでなく、スポーツと観光や産業、地域活性化を結びつける有力なツールと主張します。

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第11回目として、サントリーホールディングス代表取締役副会長で大阪商工会議所副会頭の鳥井信吾氏にご登場していただきました。テーマは「経済と文化は車の両輪」。フランスとワインが典型例で、インバウンド(外国人観光客)が急増する今こそ、日本もさまざまな業界が国や自治体と協力して、それぞれのブランド確立し、「車の両輪」を回すべきだと強調する。また、統合型リゾート(IR)の納付金を文化振興に活用するように提案します。

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第10回目として、自民党四国ブロック新幹線PT座長の山本有二氏(衆議院議員)にご登場していただきました。テーマは「ナショナルミニマムとして四国新幹線は必要だ」。着工すれば10年で完成できるという。財源問題は財投や民間資金の活用などを組み合わせてクリアしたいと意欲を見せます。

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第9回目として、四国旅客鉄道(株)顧問の梅原利之氏にご登場していただきました。テーマは「四国新幹線は地方創生の切り札」。4島(北海道、本州、四国、九州)のうち、唯一新幹線が走っていない四国がこのままでは衰退する一途だと危機感を強め、建設費の安い単線式新幹線建設の旗を振ります。

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第8回目として、エイチ・アイ・エス(H.I.S)創業者でハウステンボスを再建した澤田秀雄氏にご登場していただきました。テーマは「澤田秀雄流一人旅のススメ」。若者に世界を旅し、視野を広げよ、アドバイスします。自身も今年、数か月間、一人で世界を旅するといいいます。

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第7回目として、神戸大学大学院法学研究科の簑原俊洋教授(日米関係・政治外交史・安全保障)にご登場していただきました。テーマは「トランプ米大統領とどう付き合うべきかー日本の外交政策を問う」です。就任から1年強のトランプ大統領の評価や米朝首脳会談、日本の外交政策に切り込みます。

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第6回目として、(株)フジオフードシステムの藤尾政弘代表取締役社長にご登場していただきました。「まいどおおきに流経営 成功の秘訣~失敗の教訓から学ぶ」と題して、これから起業を目指す若者に「繁盛店づくりの秘訣」を伝授します。

 藤尾政弘フジオフードシステム社長に聞く

 (その1=業態に合わせた立地ではなく、立地に合わせた業態を)

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 (その2=商売はええ格好したらアカン)

 藤尾政弘フジオフードシステム社長に聞く

 (その3=店の成長に合わせて人の成長を図る)

 藤尾政弘フジオフードシステム社長に聞く

 (その4=繁盛店づくりの秘訣)

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第5回目として、山中智子・日本共産党大阪市会議員団幹事長にご登場していただきました。

  テーマは「大阪都構想の是非」と「IR(統合型リゾート)は大阪に必要か」、「大阪の成長戦略」です。

  山中智子・日本共産党大阪市会議員団幹事長に聞く

   (その1=大阪都構想の是非)

  山中智子・日本共産党大阪市会議員団幹事長に聞く

   (その2=IR統合型リゾートは大阪に必要か)

  山中智子・日本共産党大阪市会議員団幹事長に聞く

   (その3=大阪の成長戦略)

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 第4回目として、黒田當士(まさし)自民党市民クラブ大阪市会議員団幹事長にご登場していただきました。

  テーマは「大阪都構想の是非」と「IR(統合型リゾート)は大阪に必要か」、「大阪の成長戦略」です。

  黒田當士(まさし)自民党市民クラブ大阪市会議員団幹事長に聞く

   (その1=大阪都構想の是非)

  黒田當士(まさし)自民党市民クラブ大阪市会議員団幹事長に聞く

   (その2=IR統合型リゾートは大阪に必要か)

  黒田當士(まさし)自民党市民クラブ大阪市会議員団幹事長に聞く

   (その3=大阪の成長戦略)

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  第3回目として、吉村洋文大阪市長にご登場していただきました。

  テーマは大阪都構想とIR(統合型リゾート)、子どもの貧困対策、うめき  た2期開発です。

  吉村洋文大阪市長(その1 大阪都構想と住民投票)

         吉村洋文大阪市長(その2 IR=統合型リゾートとギャンブル依存症)

       吉村洋文大阪市長(その3 子どもの貧困対策 うめきた2期開発 若者へのエール)

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第2回目として、がんこフードサービス会長の小嶋淳司さんにご登場していただきました。一代で全国有数の寿司チェーンを築き上げた小嶋さんの苦闘の歴史と教訓を語っていただきます。

  小嶋淳司さん(その一 がんこ小嶋流経営の原点と教訓)

 小嶋淳司さん(その二 がんこ小嶋流経営の成功の秘訣)

 小嶋淳司さん(その三 起業する若者へのエール)

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第1回目として、大阪都構想とIR(統合型リゾート)を取り上げます。

 松井一郎大阪府知事にご登場していただきました。

        松井一郎大阪府知事(その一 大阪都構想と住民投票)

         松井一郎大阪府知事(その二 IR=統合型リゾートとギャンブル依存症)

         松井一郎大阪府知事(その三 若者にエール)

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  「議論」のページに、大阪都構想について解説を掲載しました。

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